新型インフルエンザウイルスの正体
新型インフルエンザウイルスの正体はどんなものでしょうか?
その前にA型インフルエンザウイルスの構造を見てみましょう。
なぜなら新型インフルエンザウイルスはA型インフルエンザウイルス
が変異を起こしてできてくるからです。
これはA型インフルエンザウイルスの構造です。
A型インフルエンザウイルスは表面にスパイク状の糖たんぱくがあります。
HA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)です。
HAはウイルスが細胞に入っていく時に働きますが、NAはウイルス
増殖のためにウイルスが細胞から出で行く時に働きます。
このHAには16種類、NAには9種類があり、この組み合わせによって
A型インフルエンザウイルスでもいろいろな亜型が存在します。
現在、私たち人の間で毎年、流行を繰り返しているのは、H1N1の
Aソ連と呼ばれるウイルスと、H3N2のA香港の2つの亜型だけです。
これは人類の大半は免疫を持っています。
現在、鳥インフルエンザが広がりを見せていますが、これはH5N1で
NAの亜型が5番目でNAの亜型Nが1番目ということです。
これは強毒型で致死率も高いので警戒されています。
これがいつ、人から人へ感染する新型のインフルエンザウイルスに
変化するのかが恐れられています。
またA型インフルエンザウイルスの構造からもわかるように、遺伝子が
RNAしかないことです。DNAがあれば突然変異をおこしても修復がきき
ますがRNAではそのような機能がないので、突然変異を繰り返して、
早いスピードでウイルスが変化してしまいます。
新型インフルエンザとは
人に感染したことのないタイプのインフルエンザウイルスが人に感染し
流行するものと定義されています。
A型インフルエンザウイルスの亜型であるH5N1が変異して新型イン
フルエンザウイルスになるのは時間の問題ではないかと言われて
います。